なにもないに全てある
過去に読んだ本の中で、原研哉さん「デザインのデザイン」という本があります。学生の頃に読んだ本ですが、今読み返しても大変参考になる本です。この本では、デザインの持つ意味や意義を、原さん自身の手がけたデザインの具体例や経験談を通して表現されています。
その中でも特に印象に残ったのが無印良品のブランディング。
当時の私の中での広告といえば、写真があってキャッチコーピーがあって「なるほどこれはココがイチオシなわけね」というのがほとんど。無印良品の広告は写真のみ。あとはロゴだけ。
徹底して無駄を排除したデザインです。
当時の私にはとても印象的だったわけです。
日本デザインセンター 原デザイン研究所 無印良品
http://www.ndc.co.jp/hara/home/muji2003/index.html
無印良品のコンセプトは「EMPTINESS」
広告そのものが明確なメッセージを打ち出すのではなく、むしろ広告としては空っぽの器を差し出すようにふるまうということ
(引用:原研哉「デザインのデザイン」)
ここまでシンプルにできるのも、根底にしっかりしたコンセプトがあるからなのですが、Web でもコンセプトワークは大変重要になってきます。といってもグラフィック広告のようにビジュアルのみで簡潔することはまずありません。よりユーザーとの距離が近くなるため、デザインする場合にも多くの要素が必要となってきます。当たり前にサイトをもつようになってきた今、他の企業との差別化を図り、より明確なメッセージを打ち出していくためにも、こういったコンセプトメイキングやブランディングという思考は、これからもどんどん広がっていくでしょう。
(takanosuke)