クリエイティブ探訪 -築地活字編- - グレヌデサ La graine du dessin
Design Graphic

クリエイティブ探訪 -築地活字編-

以前、若いデザイナーの間でひそかに「活字ブーム」なるものがじわじわ広がっているという新聞記事を読み、
ずっと気になっていたのですが、そのことを別件で向かっていた東京行きの新幹線の中で思い出し、
急遽予定を変更して、横浜の「築地活字」さんにお邪魔してきました。


株式会社 築地活字
創業1919年以来、活版印刷用金属活字の鋳造販売業を行っていらっしゃる歴史ある会社です。
月に1回「活版活字 鋳造見学体験会」という催しを行っており、2500円の参加費で
自分の名前の活字を鋳造し、名刺をつくることができるそうです。

ところで活字って何?かと申しますと、

活字(かつじ)は、狭義においては活版印刷の際に文字の図形を対象(特に紙)に印字するもので、木や金属に字形を刻み、それにインクをつけて何度も印刷できるようにしたものである。 また広義においては、写真植字の文字盤やデジタルフォントをはじめ、広く文字を同一の字形で繰り返し表現するものを含む。 (wikipedia「活字」より引用)


印刷は大まかに分けると凸版・凹版・平版・孔版がありますが、この中でも活字は凸版に分類されます。
構造はいたってシンプル。ハンコのように、文字の部分が土台よりも一段高くなっており、
そこにインクをのせ、圧力をかけて転写させます。一文字一文字がバラバラになっているので、
一度印刷した後も組み替えて繰り返し使用することができます。

今や、DTPの発達によりパソコンでの文字製版が可能となり、
活版印刷はごく限られたものにしか見られなくなってしまいましたが、
版を押し当てた時にできる凹凸の手触りや仕上がりには独特の風合いがあり、
密かに人気があります。

katsuji01.jpgと説明が長くなってしまいましたが、活字を体験したことがない私は興味深々。百聞は一見にしがず!
ということで、いざ、築地活字さんへ!


今回急遽アポなしでの訪問だった為、鋳造見学体験会はありませんでしたが、
職人の平工さんが快く迎えてくださいました。


印刷技術については学生の頃デザイン史で習ったきり...ほとんどうろ覚えだったので尻込みしてしまいましたが、平工さんが一つ一つ丁寧に説明してくださいました。





katsuji02.jpg
活字のサイズは1号とか2号とか、ポイントで設定されています。
一番大きいのは初号と呼ぶそうです。


katsuji03.jpg
これは一番小さいの。


katsuji06.jpg
活字の「部屋」と呼ばれる右手の棚に活字がビッシリ入っています。
「銀河鉄道の夜でジョバンニが拾っていたのアレですね!」と、思わずしょうもないコメントをしてしまい
「あんなに暗い仕事ではありませんよ。実際はもっと明るい現場ですよ。」と
笑われてしまいました。


katsuji04.jpg
活字は鉛+アンチモン+鈴を高温で溶かして型に流し込み成形します。
その元になる型を母型(ぼけい)といいます。
写真ではわかりづらいですが活字とは逆に凹形に文字が彫ってあります。
この母形は火災にあっても燃えてしまわないように、頑丈な金庫にしまわれていました。
長年受け継いできた歴史の重みを感じますね。


katsuji05.jpg
そしてこれが鋳造機!現代アートかと思うぐらいカッコよかったです。
釜と一体になっていて、自動で鋳造の工程を行います。
古いけどメカメカしい。こういうものを見た時のボキャブラリーが乏しいので何といったらいいか難しいですが一言で表すとすれば「産業革命!!」という感じでした。
この日は一通りの作業が終わった後だったため、残念ながら稼動しているところは見ることはできませんでした。次回は必ず!


katsuji07.jpg
できたてほやほやの活字たち。ピカピカです。


katsuji08.jpg
活字ができあがったら、版を組み手動で印刷作業をします。字間などはスペーサーで調整するそうです。
Webでいうなら、携帯コーディングで使ったりするspacer.gifみたいなものですね。



katsuji10.jpg
最後に印刷見本を色々見せていただき、記念に書体見本を購入。
電話でも注文できるそうです。私はたまに趣味で革細工なんかもやるのですが、この活字を使って型押しもできるそうです。花形なんか入れたらカワイイ!とわくわくしながら見せていただきました。


時代の流れの中、こういった手間のかかる技術を使ったものはだんだんと少なくなってきていますが、
今回見学を通して、心と魂のこもった職人さんの技術に触れることで、これは無くしてはいけないし、これからも決して無くなることはない、と感じました。


日々の仕事でも、もちろんスピードは大切ですが、こういった「心をこめる」というスピリットも大事にしていきたいなと思いました。


ということで...!ジーピーオンラインの制作物も、スタッフ一同魂を削って制作しています。
そんなWeb職人渾身の制作事例はこちら

New Entries
TOP
Old Entries

Webトレンド情報局とは

クリエイティブグループスタッフがお送りする、Webデザイナーのための知識とTIPS。 PhotoShopの便利な豆知識や、CSSのお困り解決、デザイン概論などなど。
【隔週木曜日更新】

運営会社:株式会社ジーピーオンライン

RSSを購読する

Monthly Archive